「間取りソフトを使うより、AIに間取りを考えてもらう方が早いのでは?」
ChatGPTやGeminiが話題になるにつれ、そう思う方も増えているのではないでしょうか。私も同じことを考え、実際に試してみることにしました。
今回試したのは以下の4つです。
- ChatGPT(GPT-5.6 Luna・無料版)
- Gemini(3.6 Flash)
- Claude(Opus 5)
- Floor Design AI(間取り専用のAIツール)
結論から言うと、一番「キレイ」に見えたAIの間取りに、見過ごせない欠陥がありました。 この記事では、実際の画像を見せながら、AIで間取りを考えるときに気をつけるべきことをまとめます。
AIで間取り作成できるか同じ条件で比較・検証
同じ条件でも難易度が変わると結果がどう変わるかを見るため、2つの土地条件で試しました。
検証①:シンプルな土地(教科書ケース)

土地:30坪(約99㎡)、間口8m×奥行き12.5mの長方形南側道路に接道、駐車場2台分
建物:4人家族(夫婦+子供2人)の2階建てLDKは16畳以上・子供部屋2つ・対面キッチン希望
南向きで間口も広い、いわば「素直な」土地です。
検証②:実際に私が家を建てた土地の条件(リアルケース)

敷地:正方形に近い形状(約15m×15m、敷地面積219.45㎡=約66坪)
接道:北側、敷地の西端から約5.4mのみが間口道路幅員は4m(側溝を含む)駐車場は2台分
建物:条件は同じ
こちらは私が13年前に実際に家を建てたときの、本物の土地条件です。北側道路で、しかも接道しているのは西端のわずか5.4mだけという、決して簡単ではない条件です。
検証①の結果:どのAIも、それなりに使える提案を出してきた
シンプルな土地では、まずどんな結果になったのかを1つずつ見ていきます。
ChatGPT:LDK・子供部屋2つ、しっかり配置

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LDK17.5畳、子供部屋2つとも希望通りに配置され、土地・建物概要まで整理された資料になっていました。この時点では「そのまま候補にできそう」と思うほどの完成度でした。
Floor Design AI:子供部屋が1つ足りない

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設定方法を間違えたのか平屋の間取りで期待外れ。2階建てにする方法が良くわからない。英語表記が混ざり、2つ指定したはずの子供部屋が1つしか生成されませんでした。夫婦の寝室は2つできてる。全体的に日本向けではなくアメリカっぽい間取りになってる気がする。
Gemini:CAD図面のような精密さ、でも1階のみ

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実際の設計図面のような精密な仕上がりで、寸法線もきっちり入っていました。ただし1階の間取りのみで、2階は生成されませんでした。
Claude:地味だが説明は丁寧

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画像生成はできず、HTML形式での提案でした(完成まで5分程度)。ドアなどの表記は省略された簡易的な図でしたが、部屋ごとの説明はしっかりしていました。
この段階では、どのAIもそれなりに「使える」提案を出してきました。「AIも意外とやるじゃないか」という印象です。
検証②の結果:土地が複雑になると、明確な差が出た
ここからが本題です。実際の(複雑な)土地条件を与えたところ、結果は大きく分かれました。
ChatGPT:一番キレイ。でも、車が道路に出られない

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見た目は今回も一番整っていました。土地・建物概要のボックス、方位マーク、1階・2階両方の間取りと、パッと見はプロが作った資料のようです。
ですが、よく見ると寸法の矛盾がありました。
図には「西側 約9.6m」「間口 約5.4m」「東側 約5.4m」と書かれています。全部足すと20.4mになりますが、敷地は15m×15mのはずです。
さらに深刻なのは、駐車場2台が「西側9.6m」の区画に描かれているのに、道路への出入口(間口)はその東側にあるという点です。この図の通りに車を停めたら、道路に出られません。
見た目が整っているだけに、この矛盾は素人目には気づきにくいと思います。実際、私も最初は「よくできている」と感じました。AIの間取りは、パッと見の完成度と、実際に使えるかどうかは別物だと痛感した瞬間でした。
Floor Design AI:日本語入力なのに英語で出力、しかも1階のみ

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専用の間取り作成AIなのに、今回も期待外れでした。日本語で条件を入力したのに出力は英語(「FLOOR PLAN – 1 STORY RESIDENCE」)。「Driainge cithes」のような誤字も見られ、単位も「1500 SQ FT」とアメリカ式に変わっていました。玄関らしきスペースはあるものの、明確な玄関としての表現はなく、実際の日本の住宅事情には即していない印象です。1階のみの提案で、2階建てという条件も満たせていませんでした。
Gemini:駐車場の位置は正確。でも2階が無い

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Geminiは駐車場をきちんと「間口5.4mの範囲内」に収めており、ChatGPTが失敗した部分をクリアしていました。対面キッチンやLDK18畳など、条件も反映されています。ただし、こちらも1階のみの提案で、「2階建て・子供部屋2つ」という条件は満たせませんでした。
Claude:地味だが、一番「使える」提案だった

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Claudeは画像ではなくHTML形式で間取りを出力してきました(完成まで5分程度)。装飾は少なく、見た目の華やかさはChatGPTに劣ります。
ですが、内容は今回の4つの中で最も筋が通っていました。
- 西端5.4mだけを「間口」として扱い、それ以外の北側境界は「接道なし(隣地)」と明確に区別
- 駐車場2台をその5.4mの間口内に正確に配置(車が出られない、という問題が起きない)
- 1階・2階とも同じ面積の「総二階」を実現し、子供部屋2つもしっかり確保
さらに、こちらが指定していない法規上の注意点まで自動で指摘してきました。
「間口5.4mで2台並列にすると、人が歩く幅は残りません。普通車2台を並べると2,500×2=5,000mm。間口5,400mmとの差は400mmしかなく、独立した歩行者用通路は取れません」
「道路幅員4,000が側溝込みちょうどの場合、42条2項道路と判定されるとセットバックが必要です。市役所で道路種別を確認してください」
これは正直、意外でした。間取りの見た目ではなく、実際に住宅を建てる際に確認すべき制約まで踏み込んで指摘してくる点は、他の3つのAIにはなかった視点です。
ただ、階段と廊下の位置関係がおかしかったのだけが残念。
検証結果まとめ
| ツール | 検証①(シンプル) | 検証②(実際の土地) |
|---|---|---|
| ChatGPT | ◎ 使える提案 | △ 見た目◎だが寸法矛盾あり・車が出せない |
| Gemini | ○ CAD並みの精密さ | ○ 駐車場位置は正確だが2階が無い |
| Claude | ○ 説明が丁寧 | ◎ 制約を正確に処理・法規の注意点まで指摘 |
| Floor Design AI | △ 子供部屋が1つ不足 | ✕ 日本語非対応・1階のみ |
AIで間取りを考えるときに気をつけたいこと
今回の検証で分かったのは、AIの間取りは「見た目の完成度」と「実際に使えるかどうか」がまったく別物だということです。
特にChatGPTのケースは象徴的でした。写真のようにきれいな仕上がりだからこそ、寸法の矛盾があっても信じてしまいそうになります。もし私がこの図をそのまま住宅会社に持ち込んでいたら、「この配置だと車が出せませんよ」と指摘されて恥ずかしい思いをしていたかもしれません。
逆に、地味な見た目だったClaudeの提案が、実は一番「使える」提案だったというのも面白い結果でした。AIによって得意・不得意がはっきり分かれることが分かります。
とはいえ、どのAIも「たたき台」としては十分に機能します。何も無い状態から考えるよりは、AIに一度出してもらった案を見ながら「ここは良さそう」「ここは違う」と検討する方が、はるかに効率的です。
結論:AIは「たたき台」に。最終判断はプロと一緒に
今回の検証で分かったのは、AIは間取りのアイデア出しには十分使えるものの、寸法や法規の整合性まで完全に任せるのはまだ危険だということです。特に、私の実際の土地のような「単純ではない条件」になるほど、AI同士の差ははっきり出ました。
私自身、13年前に実際に家を建てたときも、自分なりに間取りを考えた上で、最終的には住宅会社の担当者やプロの提案と突き合わせて決めました。AIが進化した今でも、この「一度プロの目で見てもらう」というプロセスの価値は変わらないと感じています。
もしAIで間取りのアイデアを練ってみたなら、次のステップとして、無料でプロに間取りプランを作ってもらい、AIの提案と見比べてみることをおすすめします。
💡 ソフトで間取りを描いたら、次にやること
自分で描いた間取り、実はプロが見ると
「ここ、動線的にもったいない」ということがよくあります。
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私も家を建てるとき同じことをして、
おかげで後悔ポイントを1つ減らせました。
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