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家を建てる時にハウスメーカーと工務店のどちらで建てるかを選択するときに、値段が安いという理由で工務店を選ぶことがありますが、工務店の住宅価格は本当に安いのか考えてみました。

ハウスメーカーは宣伝広告費が上乗せされているから高い?

ハウスメーカーはテレビCMやモデルハウスなどの宣伝広告費が住宅価格に上乗せされているので高くなるとよく言われます。

戸建て住宅着工棟数(2014年)15,266戸でプレハブ住宅メーカー1位の「積水ハウス」を例として考えてみます。

積水ハウスはモデルハウスが全国に約500ヵ所あり、モデルハウス一棟あたりの年間維持費が3千万~5千万円ともいわれています。

東京などの都市部と地方では土地代がぜんぜん違うでしょうが、単純に1つのモデルハウスの維持費を3,000万円で計算すると、

3000万円 × 500カ所 = 150億円(年間モデルハウス維持費)

となり、15,266戸の施主で割ると、一世帯あたり98万円のモデルハウス費用を負担していることになります。

さらに、テレビCMやタレントの起用などの宣伝広告費などもあるので、すべての宣伝広告費を上乗せすると100〜150万円程度は負担していることになります。

100万円となると、結構大きな金額になりますね。

工務店は宣伝広告費をかけていないのか?

では、モデルハウスやテレビCMを持っていない工務店は宣伝広告費を使ってないから安いのでしょうか?

小さな工務店の場合、大手ハウスメーカーのような大々的な宣伝もせず、モデルハウスもありませんが、新聞の折り込み広告や新築完成見学会などの営業活動は普通にしています。

それらの宣伝広告費が住宅価格に上乗せされます。

その中で特に費用がかかると思われるのが、完成見学会です。

完成見学会では、現地にスタッフを配置する、新聞やポスティングなどで完成見学会の広告を出す、施主へのお礼などの費用がかかってきます。

例えば、年間5棟を着工する工務店が年に3回見学会を行って、1回の完成見学会に100万円かかるとしたら、

100万円 × 3回 = 300万円(完成見学会の年間費用)

となります。

この300万円を着工件数の5世帯で割ると、1世帯あたり60万円の費用負担が上乗せになります。

このように大手ハウスメーカーと比べると、工務店の宣伝広告費は約半額になりますが、以外と費用がかかっているのがわかりました。

宣伝広告費が安いからといって良い家が建つわけではない

大手ハウスメーカーと工務店の宣伝広告費の違いを比較すると、工務店の方が安いという結果が出ました。

今回の計算は大まかな計算での比較なので、正確な金額ではありませんが、考え方としては大きく外してはいないはずです。

これだけを見ると、大手ハウスメーカーは住宅価格に広告宣伝費が上乗せされるから嫌だという人は、やっぱり工務店の方が良いと思うかもしれませんが、工務店だって金額の違いはありますが、広告宣伝費を住宅価格に上乗せしています。

広告宣伝費が安い方が住宅を購入するときに得をしそうですが、実はそうとはいえません。

大手ハウスメーカーの場合は、確かに広告宣伝費が高いですが、その宣伝によって多くの顧客が獲得できるので、住宅の性能を上げるための建材開発や研究、アフターフォローの充実、大量注文で住宅設備・建材を安く仕入れられるなどのメリットがあります。

広告宣伝費が安い工務店を選んだとしても、住宅設備のグレードをハウスメーカーと同じにすると、費用の差がほとんどなくなる事例もあるので宣伝広告費が安いというだけで工務店を選ぶと後悔する可能性があります。

住宅会社を選ぶときの決め手としては、値段の安さも大事ですが、それ以上に住宅に対する考え方や家を建てた後のアフターフォローを考えて信頼できる会社を選びましょう。