2012年末から家づくりを考え始めて、2014年7月に引き渡しされた我が家の出来事についてまとめました。
これから注文住宅で家づくりを考えているなら、家づくりの流れが参考になると思うので読んでみてください。
それでは、わたしが家づくりを始めたときから話をしていきます。
子供をキッカケに家が欲しくなる
結婚してアパート暮らしをしていた頃、妻が妊娠して産休に入りました。
出産予定日が1ヶ月後となった2013年1月、
「ねぇ、家を買わない?」
と、妻が言ってきました。
結婚してからずっと賃貸暮らしですが何の不満もなかったし、35年の住宅ローンを払い続けるなんて、もし収入が減ったり、仕事がなくなったら怖いので、
「家はまだ必要ないんじゃない。」
と、やんわり反対。
それでも妻は、
「家賃を払っても何も残らない」
「家を買ったら資産になる」
「年を取ったらアパートは借りられない」
などと不動産屋の営業トークみたいなことをズラズラと並べてきます。
家を買いたい人や売りたい人にはお馴染みのフレーズですよね。
また、妻は住宅資金の不安が全くなかったようです。
私たち夫婦は共働きで、妻の方が私よりも収入が多く、自分の収入だけで家を買うつもりだったようです。
それに妻は家を買う住宅資金として1000万円以上の預金を貯めていると、このとき初めて知りました。
確かにそれだけあれば住宅資金は問題ないかもしれませんが、家を買うにはそれなりの勉強をしてからじゃないと失敗しそうなので、すぐに買う気にはなれません。
「まだ買うのは早い。」
「子供がもう少し大きくなってから考えよう。」
と私は言いましたが、
「産休でやることないから、気になった中古住宅を見に行ってるんだ。」
「産休と育児休暇中に家を買いたいんだよね。」
どうやら、妻は諦める気はなさそうです。
「買う買わないは別にして、見るだけなら良いんじゃない?」
「そうだよね!」
そんなやりとりが我が家の家づくりのスタートでした。
数日後には、
「気になる物件があるんだけど一緒に行かない?」
と誘われて、中古住宅を何件か見に行きました。
私はまだ家を買う気がなかったので、物件探しも家づくりの勉強もしてません。
妻は、不動産のチラシなどを切り抜いてノートにまとめたり、地図に物件の位置を書き込んでみて回ってました。
夫婦の間でかなりの温度差がありました。
中古住宅を一緒に見て回る
住宅購入には反対してましたが、探すだけなら良いと言っていたら、
「見に行きたい物件があるから一緒に見に行かない?」
と妻が誘ってきました。
「まあ見に行くだけならいいよ」
こうして、一緒に中古住宅を何件か見に行くことになりました。
何件か見ましたが、住みたいと思えるような物件はありませんでした。
それでも、妻は産休中に家を買うつもりみたいで、楽しそうに物件を探し続けてます。
そんなときに妻がすごく気に入った物件を見つけました。
駅から徒歩10分程度の好立地で、2階建ての和風住宅。築30年程度で駐車場1台と広い庭付き。
価格は2500万くらいだったと思います。
内見するために不動産屋へ一緒に行きましたが、妻は物件を見に行く前からテンションが高くてちょっと心配になるほどでした。
物件を見ると和風な外観、間取り、広い庭も気に入ったようです。
わたしは駅から近い立地と広い室内は良いと思いました。
しかし、建物が古いので耐震性能が心配なのと駐車場が1台分しかないこと、川沿いの立地が気になりました。
現地見学を終えると、妻はもう購入する気満々で店員さんと話を進めてます。
このまま放っておくと本当に契約しちゃいそうなので、見積もりだけもらって後日返事をすることにしました。
不動産屋からは
「他にも検討している人がいるので、早く返事をもらいたい」
「良い物件との出会いは縁ですから」
と言ってました。
私は購入する気はなかったし、こういうことを言われると逆に警戒しちゃうんですよね。
買うにしても不動産についてもっと勉強してからと思っていたし。
その後の夫婦の話し合いで、その物件は買わないことになりました。
妻もしぶしぶ了承して、また中古住宅を探し始めましたが「あの物件がよかったなぁ」とよくグチってました。
もし、この物件を購入していたら、どんな生活を送っていたのかと想像したりしました。
出産1ヶ月は物件探しはお休み
そんなこんなで出産予定日になり、2013年2月に子供が無事に産まれました。
初めての子供でミルクやオムツ交換、お風呂、夜泣きなどで始めての体験で大変でした。
産まれてから1ヶ月くらいは赤ちゃんを連れて外へ出れないので物件探しはお休みです。
子供が生まれてからアパート暮らしで一番困ったのは「夜泣き」。
住んでいたアパートは軽量鉄骨の2階建。
普段から隣人の声や生活音は聞こえないので、壁はそれほど薄くないと思いますが、赤ん坊の鳴き声は別。
大音量で鳴くので窓を閉め切っても音が漏れてると思います。
特に「夜泣き」は深夜でも関係なく2〜3時間ごとに泣くのでお隣さんにもきこえてるだろうなぁっと気になってしまいます。
泣くのは赤ちゃんの仕事なので仕方ないんですけどね。
この「夜泣き」を経験して赤ちゃんを育てるのは音漏れを気にしなくて良いから一軒家の方が楽かも。
でも、「夜泣き」だけなら壁の厚いマンションへ引っ越せば良いだけですよね。
希望に合う住宅がないなら注文住宅
出産から1ヶ月が過ぎて少しづつ外出ができるようになったので物件探しも再開。
妻は中古住宅を探してましたが、希望に合う物件がなかなか見つからず一緒に物件を見に行くことがなくなりました。
中古物件を何ヶ月も探してるので、新着物件くらいしかチェックしてないってのもあるんでしょうね。
このまま家を買うのを諦めてくれたらと密かに期待してたんですが、
「中古物件で良いのが見つからないから、新築でもよいかなって?」
「注文住宅でもそんなに値段変わらないし」
中古物件を諦めて新築それも注文住宅まで話が広がり、妻は土地探しを始めました。
ちなみに私はまだ家を買うのに反対です。
半ば強引に土地購入を決められる
「良さそうな土地を見つけたから行ってみよう」
何件か見に行きたい候補地があって、一人で下見に行ってその中から気に入った物件を一緒に見に行こうということでした。
土地を一緒に観にいって、ここが一番おすすめと言われる物件へ。
私の第一印象は「これはない」でした。
理由は、お隣さんが一目でわかるくらいのボロボロの空き家だったから。
いや、空き家の隣ってなんでそんなところ?
土地は正方形で家を建てても庭が作れる広さがあるのは良いですが、隣が空き家ってだけでダメでしょ。
「空き家の隣なんてイヤだよ」
と、私は反対しましたが、他の土地を探した方が良いとも言いましたが、もう探す気もないようでした。
しまいには、
「反対してもこの土地買うから!」
と妻はこの土地を買う気でいます。
このままだとこの土地を買うことになると思い、他に良い土地がないか探し始めました。
物件を探して良いと思うところを探して見せましたが、やっぱり自分の見つけた土地の方が良いといって聞く耳を持ちません。
正直、こんな土地を買うなら離婚した方が良いんじゃないかと真剣に考えました。
ですが、結局は私が根負けして、この土地を購入することに。
不動産で離婚する夫婦もいるのを、身を持って体験した感じです。
土地選びは重要なので、この土地を買ったのは今でも後悔してます。
ここを買うんだったら、前に妻が欲しがった中古住宅の土地の方がマシだったかも。
土地購入でもう引き返せない
土地購入をすることになりましたが、わたしはまだ住宅を建てるのに反対。
なので、家づくりには積極的にはなれませんでした。
でも、このまま協力しないで家を建てられた場合、どうなるのかを考えてみると居心地の悪い家になりそうです。
住めれば家なんてどうでも良いと思えれば良いのかもしれませんが、これから何十年も暮らすことを考えるとそれは無理です。
土地はもう買ってしまったので、もう後戻りはできません。
けど、家は今からでも間に合う、そう考えるようになりました。
こうして私の家づくりが本格的にスタートし、家づくりブログも作り始めました。
住宅会社探しであちらこちら
もう土地は購入したので、次はハウスメーカーや工務店の情報を集めます。
近くの住宅展示場へ行ったり、インターネットで地元の工務店を調べて訪問したり、住宅相談窓口、住宅の完成見学会などにも行きました。
子供も一緒なのでジッとしているとグズって説明を聞けないなんてことも。
調べた住宅会社を比較しやすいように、自分でチェックシートを作って記入してました。
この時に気になったけど、見に行かなかった住宅会社が一条工務店です。
住宅展示場もあったのですが、モデルハウスの外観が好みじゃなかったのが原因ですが、食わず嫌いせずに行けばよかったと思います。
たぶん、行ったとしても一条工務店では家を建てることはなかったと思いますが、高断熱高気密の性能が家づくりで重要だとは気付けたと思います。
一条工務店は「家は性能」がキャッチコピーですからね。
当時の私たちは外断熱や高断熱が重要だとは思ってなかったので「高断熱高気密」を売りにしている住宅会社は避けてました。
今では「高断熱高気密」は当たり前ですし、国としても推奨しています。
住宅会社をいろいろ見学して、高断熱高気密ではない自然素材を重視している地元の工務店を選びました。
間取りと住宅設備を決める
住宅会社が決まり、工務店と間取りプランについて打ち合わせを進めていきます。
家づくりで一番楽しいのが間取りを決めることだと私は思ってます。
工務店から間取りプランをもらうまで、自分たちでも間取りを作って、ああでもない、こうでもないと相談してました。
間取りと並行して、キッチンやお風呂、洗面台をショールームに行ってどれにするか検討していきます。
間取りプランをもらったら修正依頼して、修正した間取りをもらえるのが約2週間後。
三度くらい住宅会社に修正をお願いしましたが、妻が気に入った間取りじゃないってことで、妻の主導で間取りを作ることに。
わたしも一緒に考えましたが、基本は妻の希望を叶える感じで、住宅会社に提案してもらった間取りとは全く違う間取りでお願いすることになりました。
間取りでのこだわりは、風通りを考えた窓の位置や、開戸のない引き戸だけの開放的な部屋作りにしました。
工務店に見せた時に改良点とか言って欲しかったんですが、何も言われなかったのは残念でした。
間取りが決定したら、建材を決めて見積もりをもらいます。
内壁は壁紙ではなく真壁にして珪藻土。
床は畳と杉板のフローリング。
外壁はサイディングではなくモルタルの吹きつけ仕上げ。
壁の色のサンプルをもらって1階を白、2階を黒にしました。
屋根は長持ちする瓦。
玄関ドアはYKKAP品川ショールームへ行って引き戸タイプに。
私のこだわりは、ネット機器を入れるための「情報分電盤」と各部屋へLANケーブルを繋げる「空配管」を階段下に設置してもらいました。
外からの電気やネット配線をまとめる「スッキリポール」もお願いしました。
標準仕様から変更してもらったのは、
屋根の透湿ルーフィング剤を「タイベックルーフライナー」
外壁の透湿・防水シートを「タイベックシルバー」
住宅用基礎スペーサー(プラスチック)を「ダイカラット靱」
へ変更しました。
住宅設備の方もショールームへ行ってどれにするか決めていきます。
システムキッチンはクリナップのステンレスキッチンとウッドワンの無垢の木キッチンで悩み、見た目を重視してウッドワンに決定。
お風呂はTOTOとタカラスタンダード、クリナップで検討してタカラスタンダードのステンレス浴槽に決まりました。
見積もりをもらって予算を削減できそうなところを削っていきます。
照明やエアコンなどの電気製品は施主支給にすることにしました。
システムキッチンやシステムバス、洗面台なども調べてみたら施主支給で購入できるとわかり、工務店と相談して施主支給することにしました。
工務店としてはキッチンやお風呂は電気やガスの工事も入るので施主支給はしてほしくなさそうでしたね。
こんな感じで間取りプランを決めていきました。
うちの場合は、請負契約をする前から住宅会社を一社に絞ってしまいました。
これは失敗で、契約を結ぶまでは3社くらいから間取りプランをもらって見積もりも比較した方が良いと思います。
工事開始前の地盤調査
工務店と工事請負契約をして、いよいよ工事開始です。
地鎮祭では、神主さんを呼んでお酒の準備などをしました。
まずは、家を建てても大丈夫か確認するための地盤調査から。
大手ハウスメーカーでは、地盤調査を無料でやってくれるところもあるみたいですが、うちの場合は別料金。
地盤調査の結果、軟弱地盤だったため地盤改良工事が必要でした。
地盤改良工事にもいろいろな種類があって、工務店から提案された方法は「鋼管杭工法」で杭を打っていく方法。
費用は150万くらい。
ちょっと高いなぁっと思ったので、ネットで地盤改良について調べてたら「地盤ネット」というサイトを見つけました。
「地盤ネット」は無料で地盤改良の正当性を調べてくれるのでお願いしました。
その結果、地盤改良はやっぱり必要で「柱状改良工法」でセメントで柱を作っていく方法を提案されました。
「柱状改良工法」だと約100万円で工事ができて、保証期間は10年。
50万くらいの差があるので値段の安い「柱状改良工法」でお願いすることにしました。
後で知ったのですが、工務店の方法だと保証期間は無期限だったみたいです。
撤去費用にも違いがあるみたいなので、本当に安かったのはどちらなのかは建て替えや売却する時にならないとわからないですね。
「柱状改良工法」にしたことで、ちょっと困ったことが起きました。
それは「柱状改良工法」の工事ができる機械が少なく、すぐに工事ができず1ヶ月ほど待たされました。
これは想定外でした。
この時は11月で来年の3月に受け渡しを考えていたので、工期が間に合わないんじゃないかと焦りました。
建築中も気が抜けない
地盤調査が終わって、いよいよ本格的な建築工事の開始です。
まずは基礎工事。
基礎ができるまでは家の形がありませんが、基礎ができれば家の骨組みを一気に作るので家の形が見えてきます。
家の骨組みが終わった後に大工さんにお礼の挨拶をして、お弁当・ご祝儀を渡しましたが上棟式はやりませんでした。
骨組みができるとだいぶ家らしくなります。
この頃から家ができていく様子を写真でよく撮るようになってきます。
家が完成してしまうと壁の中の様子は見ることができないですからね。
家の形が見えてくると、間取りで失敗したところに気が付いてきます。
まず最初に2階のトイレが外配管になっていました。
間取りを作った時に配管のことを考えていませんでした。
外配管ってだけならそんなに気にしないんですが、その場所が玄関の近くだったのがイヤでした。
トイレの位置をズラして配管を家の中にしようとも思いましたが、トイレがその分狭くなるので使い勝手が悪くなるので結局そのまま工事することに。
次に問題になったのが『階段』です。
階段が完成したと思ったら、すごい急勾配でビックリしました。
これも平面図では気付かなかったところで、もう変更することはできません。
急勾配の対策として両側に手すりを着けました。
家を建て始めてからけっこう大きな失敗が立て続けにあり、かなり凹みました。
工事中の家の様子を何度も見に行っていたので、職人さんがいない時にも家の中を見れないか聞いたら鍵の置き場所を教えてくれました。
でも、次に行った時に職人さんがいないので、鍵が置いてある場所を確認したら鍵がない。
なんでないのか確認したら、「誰もいない時に家に入って怪我でもしたら大変だから」ということでした。
まあ、そう言われればそうですが、最初に言ってくれればよかったのになぁっと思いました。
他にはコンセントの高さや、トイレの収納ドアのシート、窓ガラスなどが指定のものと違うなど小さな問題がありました。
細かなミスですが、気が付かないとそのまま完成まで行ってしまうので建築中に確認しておくのが大事。
家電や保険、登記手続きで節約
建築の内装などの確認をしながら、火災保険の見積もりをもらったり、エアコン、照明などの家電も選んで行きます。
火災保険も見積もり比較をして安いところを探します。
エアコンや照明などは「価格.com」で調べて安いものを購入して節約していきます。
他には、建物登記・保存登記を司法書士にお願いせずに自分で申請しました。
司法書士にお願いすると15万くらいしますが、自分でやれば5万円以下でできるので結構な節約になります。
ただ、工務店側も普段は司法書士に手続き関係は全部まかせているらしく、登記だけ自分たちでやるつもりだったのですが新築に住所を登録する「住居新築届け」も自分たちでやらないといけなくなりました。
わたしたちの場合は「住居新築届け」が必要ってことを教えてもらえなかったので、引っ越し手続きをしようと思った時に役所で教えてもらいました。
「住居新築届け」自体は必要な書類を持って窓口で出すだけなのでそれほど手間ではないですが、登記を自分たちでやるときは、他にどんな手続きをやらないといけないか確認しておいた方が良いですね。
引き渡しは遅れたけど無事完成
住宅の引き渡し時期は3月末の予定でしたが、工事が遅れて3月の引き渡しはどう考えても無理でした。
もともとの3月末までの引き渡しもギリギリの日程だったのに、地盤改良工事で1ヶ月程度遅れたんですから、そりゃ時間的に考えて無理ですよね。
施主支給で購入したシステムバスも工事予定日に配送ができなくて余計な費用がかかってしまいました。
こういうトラブルがあるので施主支給は嫌がられるんでしょうね。
結局、引き渡しは7月までズレ込むことに。
引き渡し日に住宅の確認をするのですが、1階のリビングと寝室の照明が付いてなく、固定電話用の電話線も設置されてませんでした。
ミスは誰にでもありますが、ここで引き渡し日にチェックミスがあると後で対応してもらえないかもしれないので、しっかり確認しましょう。
引き渡しも無事に終わって、後は引越しするだけ。
引越し前の最後の仕事はエアコンの設置。
新築で綺麗な家でもエアコンがなけらば夏場は快適に過ごせません。
引越し日の1週間前にエアコン設置の工事をしてもらい、引越し当日も涼しい部屋で快適に作業ができました。
まとめ
初めての家づくりでいろいろな失敗や後悔もありましtが、無事に家を建てることができました。
こうして実際に家を建てる経験をしないとわからないこともたくさんあります。
この経験を活かして子供たちが家を建てる時には失敗しないようにアドバイスをしてあげたいと思います。