住宅を建てるには土地がないと始まりません。
土地がなければ購入しましょう。
土地を購入するには不動産屋へ行くと思いますが、基礎知識がないとどんな土地を買ったら後悔しないのかわかりません。
ここでは土地を購入する前に知っておきたい基礎知識についてお伝えしていきます。
不動産屋は土地を売るプロ
不動産屋の営業マンにわからないことを聞くという方法もありますが、土地を売った後まで営業マンは責任を持ってくれないので完全に信用するのは危険です。
営業マンは売るプロであって、快適な生活を保証してくれるわけじゃないってことは覚えておく必要があります。
土地購入の手続きなどは正確なことを教えてくれるので事務手続きについてアドバイスをもらうのは問題ありません。
土地を購入する方法として一戸建てを建てるといっても土地と建物がセットになって販売されている分譲住宅というものもあります。
分譲住宅では完成している物件が多く、注文住宅よりも価格を低めに抑えることができるのが大きなメリットです。
ただ、分譲住宅の場合は自分の住みたい地域にあるかはわからないということと地域が限定されるということです。
この土地に建てたいという希望がある場合は自分で土地から探す必要があるわけですが、その場合は不動産屋だけでなく、個人からの土地の購入も一つの選択として考えても良いと思います。
土地の大きさ・坪について
不動産で土地の広さを表す単位に坪(つぼ)があります。
1坪の大きさってどれくらいかわかりますか?
わたしはわからなかったので調べてみました。
一坪の広さは1間×1間。1間(いっけん)は、1.8182m。
つまり、平方メートルに直すと3.3m2になります。
1坪 = 1.8m x 1.8m = 3.3m2
間という単位は柱から柱の距離で、長さの感覚としては1人の人間が寝転んだ程度です。
そう考えると一坪の広さは畳2畳分で人が二人寝れる広さって考えるとわかりやすいです。
賃貸アパートでよくあるワンルームや1Kの部屋の広さを20m2とすると7坪程度になりますね。
車を止める駐車場で考えてみます。
1台の駐車スペースは財団法人駐車場整備推進機構によると以下のサイズになります。
(道路に対して直角駐車の場合)
軽自動車 4.0m×2.2m(8.8㎡) 3坪
小型自動車 5.0m×2.6m(13㎡) 4坪
普通自動車(大型)5.9m×2.9m(17.11㎡) 6坪
道幅によっては切り返しが難しいため駐車スペースの幅をもっと広くする必要があります。
住宅の「建ぺい率」「建築面積」について
土地を探すときにはどれくらいの家が建てられるかと言う「建ぺい率」もみる必要があります。
これは敷地面積に対する建築面積の割合のことで100坪の土地で建ぺい率が60%なら、最大60坪の建物を建てることができます。
建築基準法で建ぺい率は30〜80%の範囲に制限されています。
これは土地に空き地を残すことで採光や通風、火事による延焼の防止が目的です。
「建築面積」という言葉もありますが、建物を真上から見たときの面積になり、1階、2階の床面積を表す「延床面積」とは違います。
普通の平屋建てならば1階の面積を「建築面積」として計算しますが、2階建てで2階の方が広い場合は2階の面積を「建築面積」として計算します。
「所有権」「敷地権」「借地権」について
土地を購入するときに知っておきたいのが土地の権利について。
一般的に土地を購入するときは「所有権」でマンションを購入するときは「敷地権」になります。
他にも土地の権利として以下のような物があります。
・所有権(しょゆうけん)
土地を自由に売買できる権利
・敷地権(しきちけん)
マンションなど共同住宅の部屋と敷地の利用権を売買できる権利
・借地権(しゃくちけん)
地上権(ちじょうけん)、貸借権(ちんしゃくけん)の2種類がある。
地上権は抵当権が設定できて土地所有者の同意なく売買できます。
賃借権では抵当権や権利の売買ができないなどの違いがある。
土地に関しては「所有権」を取得できる物件を購入しておくのが安心ですが、土地の権利についてもよく勉強しておかないと購入後にトラブルになります。
土地の標高値がわかる日本地図
家を建てる土地を探すときに参考としてみておきたいのが標高を調べられる地図です。
標高がわかると台風や豪雨があったときの土砂崩れや津波被害などの予想もしやすくなります。
国土交通省の地理院で標高がわかるWeb地図を試験公開してました。
標高がわかるWeb地図を試験公開
http://www.gsi.go.jp/johofukyu/hyoko_system.html
見たい地図を表示して標高を調べたいところでマウスを右クリックすると標高値が表示されます。
試しに千葉県の木更津駅周辺の標高値を調べるとこんな感じに表示されます。
木更津駅周辺は3.1mと表示されました。
木更津駅から西へ1kmくらい行くと海なのでやっぱり標高値は低いですね。
この地図を使えば気になる土地の標高を簡単に調べられます。
土地の税金「固定資産税」と「相続税」
土地を購入するときは販売価格をチェックすると思いますが、気になるのは土地を購入した後の税金です。
土地にかかる税金には「固定資産税」と「相続税」があります。
「固定資産税」は土地を購入すると毎年払い続ける必要があります。
固定資産税は路線価を元に計算されるので購入する希望の土地の路線価がいくらかチェックしておきましょう。
「相続税」は土地を子供や家族に相続する時にかかる税金です。
毎年かかる訳ではありませんが、地価を元に計算されます。
地価・路線価を調べられるサイト
地価・路線価はインターネットで簡単に調べられます。
「全国地価マップ」では路線価も確認することができるので、土地購入の参考になります。
全国地価マップ
※サイトが表示されるのに時間がかかることがあります。
住宅を建てられる土地「市街化区域」とは?
住宅を建てようと土地を調べていると住宅が建てられない土地があることを知りました。
都市計画法というものがあり「市街化区域」と「市街化調整区域」に分かれます。
市街化区域:住宅を建てられる土地
市街化調整区域:限定された建物だけが立てられる土地
非線引き都市計画区域:「市街化区域」と「市街化調整区域」に当てはまらない地域
非線引き都市計画区域は建物を建てられますが。住宅以外の工場なども建てられるなど制限が緩いので住居としては適していない場合があります。また、電気・水道・道路のようなインフラが整備されていないことが多いので生活に不便を感じるかもしれません。
家を建てるなら、市街化区域の物件から選んだ方が快適な生活ができると思います。
土地が高い時の家づくりのコツ
購入したい土地の価格が高いと家を建てる予算が足りなくなるってことありますよね。
そんなときに考えたいのが、3世代で家を建てるという考え方。
まず、あなたが理想の土地を購入します。住宅は基礎や構造など重要な部分にお金をかけて住宅設備などは最小限のものだけを揃えます。
そして、子供や孫の世代で住宅設備を買い替えて暮らしやすい家にしていくって考え方です。
この方法の良いところは住宅費用を抑えることで理想の土地を手に入れることができるってこと。
親の代で家を完成させるのではなく子供達が大人になる20〜30年後に家が完成するってイメージです。
問題があるとしたら、子供達がその家に住み続けてくれるかってこと。
でも、子供たちが住まない場合でも、20〜30年かけて住宅資金を貯めて家を完成させるってことは変わらないからそんなにデメリットでもないかな。
立地の良い土地は購入するタイミングによってはなかなか見つからないので、購入できるチャンスがあるならそのチャンスを逃さずに購入した方が長い目で見るとお得だと思います。