「そろそろ家を買わない?」
そう妻から言われた時に最初に考えたのは「35年も住宅ローンを払い続けるのは嫌だ!」。
35年先も今の収入が安定して貰えているのかわからないじゃない。
家を買ってしまえば、もうその家から引っ越すなんてことはない。
収入が減っても家族が増えても、何とかその家で暮らしていくことを考えるよね。
今までの賃貸暮らしなら、職場が変わったり結婚して家族が増えた時など、その時その時の生活スタイルに合わせて気軽に引越しができるけど、家を買ったら職場が変わろうが、子供が増えようが引越しするなんてことはまず考えない。
今のこの家でどう過ごすかってことしか考えない。
家を売るなんて考えは最後の最後の手段。
生活の中心が『家』になってしまう。
なんだか自分の人生が『家』によって縛られてる感じがしてなんかヤダ。って思っちゃう。
家を買うってことは、これまでの人生観が180度変わってしまうわけです。
住宅ローンを払い続けるのも嫌だけど、家から離れられないってのも嫌なわけ。
家を買っても嫌になったら売却して他の場所に家を簡単に買えるんだったら別に反対なんてしないけど、そんなことできるわけがない。
家の一つや二つ、現金でポーンと購入できる財力があったらこんなふうに悩まないんだろうなぁ。
年収5000万円くらい稼ぎたい。それだけあれば、一括で支払いできそうではある。
でも、そんな夢みたいなことを言っててもしょうがないので、現実的には家は一生に一度あるかないかの買い物になるんだよ。
家が買えるなら買いたいけど、自分の人生を縛るほど必要?ってのが私の考え。
家を買わなくても子供を育てることはできるし、家族で快適に楽しく暮らすことはできるんだから。
「家を買いたい妻」と「住宅ローン35年が嫌な夫」で夫婦喧嘩?!
家を買う、買わないの話をしていると意見の違いで夫婦喧嘩になることも。
家を買いたいっていう時って家を買ったら今の暮らしよりも全てが快適になるみたいな考えを持ってる気がする。
私が妻から言われたことは、だいたいこんな感じの内容。
- 子供が産まれたら広い家が良い
- 賃貸の更新料を払うのがムダ
- 賃貸の家賃を払っても資産にならない
- 老後に賃貸を借りられない
確かにどれも家を買った方が良さそうに思えるんだけど、必ずしもそうとも言えないってこともあるんだよね。
それぞれについて詳しくみていくよ。
子供が産まれるから広い家を買う?
「家を買いたい」と言われたキッカケは子供が産まれるから。
狭い賃貸で暮らすよりも広い家で子育てしたいってことが一番の理由でした。
2階建ての一軒家なら3LDKや4LDKの間取りが一般的なので部屋数も多いから子供が2〜3人産まれても狭さを感じることはないとは思う。
それに一軒家なら庭もある。庭で家庭菜園や子供とボール遊びをしたりできるので公園まで行かなくて良い。
部屋の広さと庭付きなら、賃貸アパートの2LDKと比べたらそれは快適だろう。
でも、広い家が必ずしも快適な住まいになるってわけじゃないよね。
部屋がたくさんあっても使わない部屋があるのは無駄だし、なにより掃除をするのが面倒。
例えば、一人暮らしをする時のことを考えると1Kの6畳程度の広さでも、コタツに入りながら欲しいものにすぐに手が届いて逆に便利ってこともある。部屋が広いってことだけで快適な暮らしになるかは人によるよね。
とはいえ、1kで家族3人ってのは流石にキツイ。
賃貸で家族3人で暮らすなら2LDKは最低条件かなぁ。
子供が産まれるから家を買うって言うのもありだけど、子供が何人産まれるかわからないうちに間取りを決めるってのにもリスクがあると思うんだよね。
それだったら、子供が増えた時に広い部屋に引っ越せる賃貸の方が便利って考えるのもありだと思う。
賃貸なら、生活や収入の変化に合わせて安いところに引っ越すこともできるしね。
賃貸アパート更新料を払いたくなくて家を買う?
アパートやマンションを賃貸で借りてると更新料というものがあるんですよね。
しかも、2年1回。家賃1ヶ月分。
この更新料、地域によってはないところもあるんだけど、自分が住んでるところにはある。
この更新料が家を買う動機の一つになるくらい払いたくないって思う気持ちはわかる。
だって、毎月家賃払ってるのに、なんで更新料までって思っちゃうよね。
不動産会社の維持管理費ってことだけど、それって家賃に含まれてるでしょって思っちゃうわけですよ。
わざわざ、2年に一回更新料って払う必要ないじゃんってね。
それをいうと敷金・礼金も本当に必要?ってなるんだけどね。
昔からの慣習ってことで特に法律で決まってるわけじゃないから敷金・礼金がないところもあるにはあるけど、少ないよね。
不動産のこういう慣習って無くなって欲しいと思ってる人が多いのになかなかなくならないよね。
賃貸に住み続ける限り、この更新料は付きまとうので2年ごとに不快な思いをするわけですよ。
この不快な思い、嫌な思いをしたくなくて家を買う。
一見合理的なように見えるけど、賃貸と持ち家のどちらが経済的に得なのかってことは別。
なぜなら、一軒家を買えば賃貸の更新料はなくなるけど、変わりに『固定資産税』を毎年払わないといけない。
土地や住宅が広ければそれだけ税金も高くなるので家を買っても税金という新たな問題が発生するわけです。
家賃を払っても資産にならない?
家を買わせるためによく使われるのが『家賃はいくら払っても自分の家が手に入るわけじゃない』ってもの。
確かに賃貸に住んでいれば建物は借りてるだけなので、家を手に入れることはできない。
住宅ローンで家を買って家賃と同じ金額を払っていけば、住宅ローンが払い終わった時に家が手に入るっていうもの。
でも、これって住宅ローンを払い終わらないと自分のものにはならないわけで、払い終わる35年後には建物としての価値は購入した時の半額以下なんてことも。
それに賃貸の場合、住宅の補修費用なんかは払わなくて良いっていうメリットもあるんだよ。
持ち家なら、10〜20年に一度は外壁や屋根の補修が必要になってくる。
それも数百万なんて金額になるから住宅の維持費が結構大きい。
外壁や屋根の補修をしないって人もいるけど、それだと建物は痛む一方で建物の価値が下がって補修するより建て替えした方が良い状態まで老朽化しちゃう。
初めから家は使い捨てで35年経ったら建て替えするって考えならそれでも良いのかもしれないけど、なんかそれって環境にも優しくないし、もったいないよね。
そう考えると、賃貸で新しい部屋に定期的に住み替えした方が快適な住まいになるかもしれませんね。
老後に賃貸を借りられなくなる?
賃貸暮らしをしていると、歳をとった時に保証人を引き受けてくれる人がいなくなって住めなくなる、なんてこともよく言われてます。
確かに賃貸ではそういうことが言われてるけど、今後高齢者がどんどん増えていくことを考えると10年先は高齢者でも賃貸を借りやすい状況になっている可能性もある。
今でもシニア歓迎・高齢者向け賃貸などもでてきてるし、家賃債務保証という、一般財団法人の高齢者住宅財団が行っている居住支援サービスなんかもあるので状況は少しづつ変わってきてます。
「家を買いたい妻」と「住宅ローン35年が嫌な夫」で夫婦喧嘩をしないためのまとめ
家を買う・買わないについて夫婦で話し合うときは、それぞれの考えをすべて紙に書き出してみた方が良い。
話してるだけだとどうしても伝え忘れてしまうことがあって、自分が考えていることが相手にうまく伝わらず意見の食い違いの原因になりやすいから。
家を買うメリットとデメリットをまとめると話をしやすいと思うので、簡単なものを掲載しておきます。
家を買うメリット・デメリット
- 広い家に住める : 使わない部屋ができる、掃除が大変
- 庭付きの家に住める : 雑草などの手入れが大変
- 住宅ローンが終われば自分のもの資産になる : 収入が減っても35年払い続ける必要がある
- 賃貸の家賃・更新料を払わなくて済む : 住宅ローン・固定資産税を払う必要がある
- 部屋のリフォームが自由にできる : 部屋や外壁など住宅のメンテナンスも必要
- 老後でも賃貸のように保証人を探す心配がない : 老後に無駄に広い家に一人になる可能性も
- 家があるという安心感がある : 生活や環境の変化があっても引っ越せない
家を購入すると良いことばかり考えがちだけど、一度冷静になってリスクにも目を向けることが大事。
メリットもデメリットもすべて分かった上でないと無駄な夫婦喧嘩をすることになるかも。
特に正確な情報がないうちは思い込みで話をすることが多いので、そのまま家を購入してしまうと「こんなはずじゃなかった」なんてことになりがち。
はじめて家を買うときはわからないことだらけなので、何でも聞ける住宅の専門家に相談に乗ってもらうことも大事。
まずは、家を買うための情報収集から始めることをオススメします。