エコハウスと聞いて、どんなイメージを持ちますか?
太陽光発電や蓄熱ヒーター、吹き抜けや大開口など、省エネや快適さを追求した住宅を思い浮かべる方も多いと思います。
しかし、それらの設備や空間は本当にエコなのでしょうか?
実は、一般的に信じられているエコハウスの常識や誤解は、科学的な根拠に基づいていないことが多いんです。
そこで今回は、東京大学の環境学者である前真之氏が著した「エコハウスのウソ 増補改訂版」という本を紹介します。
この本では、最新のデータやシミュレーション結果をもとに、真の省エネ住宅の姿を探るとともに、エコハウスに関する27の誤解と1つのホントを明らかにしています。この本を読めば、エコハウスに対する見方が変わるかもしれません。
ぜひ、チェックしてみてください。
「エコハウスのウソ」はどんな内容
東京大学の環境学者である前真之氏が、一般的に信じられているエコハウスの常識や誤解を、最新のデータやシミュレーション結果をもとに論理的に検証し、真の省エネ住宅について書かれています。
2012年に初版が出版され、2015年に大幅に加筆・改訂されたものです。2020年には続編となる「エコハウスのウソ2」が出版されています。
人と気候、建物の外皮性能、冷房、夏への備え、吹き抜け・大開口、暖房、再生可能エネルギー、電気などのテーマに分けて明らかにしています。
読みやすい文章とほのぼのタッチのイラストで構成されており、住宅専門家でない人にも読みやすくなっています。
著者について
前 真之
東京大学大学院工学系研究科建築学専攻准教授。博士(工学)。1975年生まれ。1998年東京大学工学部建築学科卒業。2003年東京大学大学院博士課程修了、2004年建築研究所などを経て、2004年10月、東京大学大学院工学系研究科客員助教授に就任。2008年から現職。空調・通風・給湯・自然光利用など幅広く研究テーマとし、真のエコハウスの姿を追い求めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
本の基本情報
著者 | 前真之 |
本の名前 | エコハウスのウソ |
発売日 | 2015年10月1日 |
出版社 | 技術評論社 |
「エコハウスのウソ」の目次
はじめに
プロローグ 省エネ基準義務化
Q.1 2020年以降、全ての家がエコハウスに?
Q.2 新省エネ基準を守るだけで暖かい家になる?
Q.3 地域の気候は「8区分」でバッチリ?
Q.4 家なんてどこに頼んでも同じ?
第1章
Q.5 人と気候・人間は暑さに弱い?
Q.6 湿度はパーセント (%) が当たり前?
Q.7 エアコンなしでも日本の夏は大丈夫?
Q.8 温暖地は冬の朝も温暖?
Q.9 日ノ本の国はどこでも太陽サンサン?
Q.10 結局、住まいは夏を旨とすべし?
第2章 建物の外皮性能
Q.11 離れた壁や窓、天井の温度は快適性に無関係?
Q.12 ローイーガラスって日射を遮蔽するガラスでしょ?
Q.13 日本の窓はずっと世界サイテー?
Q.14 断熱材と構法にこだわれば断熱はバッチリ?
第3竟 冷房
Q.15 家のエアコンは節電の敵?
Q.16 冷房が最大?・
Q.17 選ぶならハイパワーのエアコン?
Q.18 除湿は冷房よりもエコ?
第4章 夏への備え
Q.19 通風はクール?
Q.20 卓越風を信じよ?
Q.21 暑さ対策は夏専用のやり方でないとダメ?
Q.22 夜間放射で夏の夜もヒンヤリ?
第5章 吹き抜け・大開口
Q.23 吹き抜けは最高?
Q.24 気密は息が詰まる?
Q.25 もっと光を?・
Q.26 大窓でダイレクトゲイン?
第6章 暖房
Q.27 暖房で体を温めよう?
Q.28 エアコンは暖房に向かない?
Q.29 空気は働き者?
Q.30 隠せばハッピー?
Q.31 放射は暖房の救世主?
Q.32 薪ストーブは原始的?
第7章 再生可能エネルギー
Q.33 エネルギーは創り出せる?
Q.34 ソーラー=太陽光発電?
Q.35 太陽光発電が日本を救う?
Q.36 平時でも蓄電は美徳?
第8章 電気
Q.37 HEMSは最強の節電ツール?
Q.38 省エネよりゼロエネ?
Q.39 目指せCO;削減?…
Q.40 オール電化はオールエコ?
エピローグ
Q.41 結局、エコハウスは必要なの?
「エコハウスのウソ」の口コミ・評判
ツイッターで本を読んだ人たちの口コミ情報を調べてみましたが、どれも良い評価をしている人が多くて、読んで失敗したとか悪い評価をしている人は見つけられませんでした。
昨日、河野議員達が聞いてたのって、多分この記事に近い話だと思うんですけど、この話を前教授がエコハウスのウソで書いてるのって、実は2015年の話なんですよね。。。
— さぬきペンギン@高性能住宅マニア (@NSW23092) March 30, 2022
小型で高効率がベスト エアコン選びの極意: 日本経済新聞 https://t.co/DUovwXT3P3
前さんのエコハウスのウソ、温熱環境の勉強するには一番オススメする本で私も何度も何度も読みました!
— 岩本健吾@福岡の住宅専門FP (@vTwZUrGEJOgv1mo) February 9, 2021
本当にいい本です😊
エコハウスのウソにありますが、快適性には室温だけじゃなくて窓や壁の温度も重要。アルミシングルの賃貸に住んでますが室温22℃50%なのに全然快適さを感じない🙄
— shu@家族を守る犬 (@Shu100000000) December 18, 2021
Ua値0.22のお宅訪問で感じた快適さは壁面や床の温度がポイントなのかも🤔
「エコハウスのウソ」試し読み
amazonの試し読みで目次と9ページまで読むことができます。
Kindle版だと43ページくらいまで読めるのでたっぷり試し読みできます。
楽天ブックスだと電子書籍(楽天Kobo)で19ページくらいまで読めます。
「エコハウスのウソ」の感想・レビュー
私もこの本を読んでみましたが、正直言って目から鱗でした。
私はこれまで、エコハウスといえば高断熱・高気密の家だと思っていました。
しかし、この本では、そうした家が必ずしも省エネにならないことや、逆に増エネになることがあることがかかれています。
例えば、高断熱・高気密の家を建てても丁寧な施工がされていなければそれは絵に描いた餅で十分な性能が発揮できない。
また、省エネ住宅やZEHなどで太陽光発電が注目されることが多いけど、太陽の熱でお湯を作る「太陽熱」を利用するという方法もあることがわかった。
屋根の上にタンクがあって水をお湯にするってもの。
今では、あまり見ないが設置費用を安く抑えられるなら太陽光発電よりもエネルギー消費を抑えられるということもわかりました。
「エコハウスのウソ」を安く買う方法
Amazonでは定価2,530円(税込)で販売されていますが、Kindle版や楽天koboなどの電子書籍だと数百円くらい安く購入できます。
紙の本の中古本だと約1,300円で買えるので安く書いたいなら中古品一択ですね。
Kindle版などの電子書籍では、時々セールやキャンペーンで割引されることもあるので、タイミングが合えばもっと安く購入することもできます。
エコハウスの実際を知るのに最適な本
「エコハウスのウソ」という本は、省エネ性能に関する常識を覆す衝撃的な内容です。最新のデータと理論で「エコハウスの誤解」を解説し、「真のエコハウス」を提案しています。住宅を建てる予定の方や既に建てた方はもちろん、建築や環境に関心のある方にもおすすめです。ぜひこの本を読んでみてください。