2枚で1700万円というビックリ価格の窓がリクシルから発表されました。
それがLIXILが新たに市場投入する窓サッシ「シームレス」です。
いったい誰がこんなものを買うのか?なぜこんなに高いのか?
気になるポイントをチェックしていきます。
窓とサッシの継ぎ目がない窓を感じさせない窓
「シームレス」の1番の特徴はその見た目です。
この美しさを見てください。

大きなガラス窓とサッシの一部に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を使用したことで、窓とサッシの継ぎ目のない、美しい意匠を実現しています。
「シームレス」は富裕層向けブランド「NODEA(ノデア)」」の最高級ラインで2023年春から販売が開始されます。
幅2メートル×高さ3メートルの2枚で1700万円という富裕層向けの高額な価格設定。
この価格設定でもわかると思いますが、年収1000万円とか年間で億を稼げないような下級市民は相手にしていません。
窓だけでこの価格ですから新築に100億くらいポンと出せるような富裕層向けです。
でも、平民でも憧れるだけなら無料ですからどんなものなのかは知りたいですよね。
シームレスが高価な理由はCFRPの利用
「シームレス」に使われているCFRPとは、プラスチックに炭素繊維と呼ばれる非常に細い炭素の繊維を混ぜ合わせた材料です。
炭素繊維は、カーボンファイバーとして鉄よりも硬くて軽い素材としても注目されています。
航空機やレーシングカーなどの高性能な製品に使用されたり、建築分野では、橋や高層ビルの補強材料として使用されることもあります。
ただ、炭素繊維自体が硬く、切削することが難しいため、専用の工具や技術が必要になるため、従来のプラスチック素材と比べて加工が難しいという難点が。
そのため素材としては申し分ないのですが、費用がかかりすぎ流という問題がありいまいち普及していません。
安くできないなら富裕層向けにすれば良いじゃない!
というのが今回のリクシルの「シームレス」ってわけですね。
リクシルの発表では、
「電動でのパラレル&スライド開閉による「フラットな面一構造」と高気密・高断熱性能を兼ね備えた「世界初」の窓」
だそうです。
そうそうこの窓電動で開閉できるようです。
電動でスライドして開閉するだけでなく、窓を閉じると1枚ガラスのようにフラットな窓になるみたいです。
今の最先端技術を結集させて最高の窓を作ったら、この価格になりましたって感じですね。
電動で開けられるのは良いですが、開く速度が遅かったら手動で開けたくなりそうですが、多分手動でも開けられるでしょう。車のドアでも電動のものがありますが、手動でも開けられるんですから車以上に高い値段がするんだから開けられないはずがありません。
「シームレス」の窓の断熱性能は?
幅2メートル×高さ3メートルの窓なので、断熱性能がどれほどなのかってのは気になりますよね。
基本的に窓は開口部が広ければ広いほど断熱性能が下がると言われてますから。
窓や窓サッシに使われているCFRP自体には断熱性能はないみたいですが、CFRPが使用されることで窓枠部分が細くなり、断熱性能を向上させる効果が期待できます。
窓で熱が逃げやすい原因の一つが窓サッシなので、窓さっちが小さくなることで熱が逃げにくい窓にできるってことですね。
さらにガラスには特殊なトリプルガラスでAGCの複層ガラス「サーモクライン」を採用。
「サーモクライン」では複層ガラスに従来から使われていた熱を伝えやすいアルミニウムスペーサーを使わない構造のため、エッジ部の断熱性が一段と高くなり、長期耐久性に優れた商品です。
「サーモクライン」とCFRPのフレームによって高い断熱性能(1.5W/㎡・K以下)を実現しています。
リクシルの高断熱窓には「エルスターX」があります。
エルスターXの断熱性能は0.79W/㎡・K)。
数値だけ見るとエルスターXの方が断熱性能は高いわけですが、窓の大きさが全然違うので単純に比較はできませんね。
まあ「シームレス」は断熱性能よりもやはりその見た目が売りなので断熱性能でいちばんにならなくても良いわけです。
なぜこんな高額な窓を売るの?
なんでこんな普通の人が買えないような商品を発売するの?
って思いますよね。
リクシルの発表でもその理由を言っていて、それは中長期的に新築住宅の着工数が減ると予想しているからです。
一般世帯向けの安い住宅を売っているだけでは住宅市場の競争に勝てないかも。
だから、建材の付加価値を高め、新しい市場を開拓して富裕層からの新規需要を獲得したいってわけです。
でも、こんな高額な商品購入できる人少ないんじゃない?って思いますよね。
それがそうでもないんです。
野村総合研究所が公表している「マーケットの分類」によると日本には超富裕層(5億円以上)の世帯が8.7万世帯もいるとされています。
日本だけでこの人数ですから、世界規模でいったらもっとたくさんいるわけです。
そうなると高級な住宅を求めるお客さんはたくさんいるので、勝機ありと考えてるもの納得できます。
実際に販売がされて需要が多くなれば、その研究が進んで一般住宅にも使えるくらい価格が安くなる可能性もありますからね。
まとめ
「シームレス」は、2023年4月から受注が始まる予定です。
最新技術を取り入れた高性能な製品なので、一般人には縁のない商品ですが、普及価格帯でも販売されるようになるのを楽しみに待つことにしましょう。