あなたは安く家を買うなら中古住宅が良いと思っていませんか?
希望に合う物件さえ見つかれば、新築のように建築期間もなく、安く手に入るのでとてもお得です。
しかし、中古住宅は外観の見た目や安さに釣られて買ってしまうと後悔することがあるので、しっかり見極める必要があります。
そこで、今回は中古住宅を買う時に確認しておきたい5つの注意点について紹介していきます。
屋根裏・床下の点検口
まず、中古住宅を買うためには気に入った物件があったら、実際に建物を見に行く内見をすると思います。
そのときに「点検口」があるかどうか確認してください。
点検口の有無は、中古住宅だけでなく、新築住宅でも重要になります。
点検口とは、床下や屋根裏などに入るための出入り口で、床下や屋根裏を点検する目的のために作られているものです。
もし、点検口がない場合は床下や屋根裏に入れないということなので、どんな状態になっているのかも点検できません。
つまり、点検口がないということは、これまで一度も点検されたことがない可能性が高いです。
点検口がある住宅で購入へ前向きに検討しているのなら、必ず点検口から床下や屋根裏を確認してください。
床下の主なチェックポイント
- 水漏れ、水たまり
- 排水管、配管の状態
- 断熱材の状態(隙間や設置漏れなど)
- 基礎の状態(ヒビ割れなど)
- 金物の状態(位置やサビなど)
- カビ
- シロアリ
屋根裏の主なチェックポイント
- 雨漏りの痕跡
- 断熱材の状態(隙間や設置漏れなど)
- 金物の状態(位置やサビなど)
- カビ
- シロアリ
リフォーム済みで見た目がキレイになっている中古住宅でも、床下も屋根裏までリフォームしていることはまずありません。
住宅の状況を正確に知るためにも床下や屋根裏の状態を見ることは重要なポイントになります。
ただ、こうしたチェックは素人が見てもわからないことも多いので、自分自身でやるよりも第三者の住宅検査(住宅診断)を利用した方が安心です。
住宅ローン減税
住宅ローンを利用して家を建てたり、中古住宅を購入すると「住宅ローン減税」を受けることができます。
新築だけでなく中古住宅も対象になるので、住宅ローンを利用しない場合でも適用される住宅を購入した方が良いです。
なぜなら「住宅ローン減税」の対象になる住宅なら「耐震基準」を満たしているからです。
内閣府の防災情報ページによると1995年の阪神・淡路大震災での犠牲者のうち約8割以上が住宅等の倒壊によるものでした。
倒壊などの大きな被害が出た住宅の比率を見てみるとこのようになっています。
倒壊などの大きな被害が出た住宅の割合
1981年(昭和56年)以前の住宅 : 約64%、
1982年(昭和57年)以降の住宅 : 約23%
この数字をみればわかりますが、1982年以降の住宅の方が倒壊した比率が圧倒的に少ないです。
これは1981年(昭和56年)以降の新築住宅は、建築基準法が改正され、「新耐震基準」として、より高い耐震性能が義務付けられたからです。
しかし、阪神・淡路大震災で多くの木造住宅が倒壊したので、約5年後の2000年6月1日から建築基準法で木造住宅の耐震性能をより高めたものに改正されました。
2000年以降の新基準の建物を購入したいなら、完成日時が2002年以降のものを選んだ方が良いです。
なぜなら、住宅販売時には完成年月日が掲載されているからです。
例えば、2000年10月に完成と記載されていても、2000年6月1日以前に建築確認がおりた場合、新基準になる前の旧基準で申請しているためです。
なので、最新の耐震基準に合わせた住宅を買いたいなら、2002年以降の中古住宅にした方が安心です。
ただ、古い建築が耐震性能が低いのかというとそうともいえません。
1981年より前に建てられた住宅でも耐震性能が高く建物の状態が良いものはあります。
中古住宅で「住宅ローン減税」を受けるためには、築20年が1つの区切りになりますが、条件を満たせば築20年以上でも受けることができます。
その条件が「耐震基準」を満たすことです。
「耐震基準」を満たしていると証明する方法は2つあります。
・耐震基準適合証明書を取得する
・住宅性能評価書(耐震等級1以上)を取得する
このどちらかを取得すれば、住宅ローン減税の申請ができます。
築20年以上の中古住宅を購入するなら、「耐震基準」を満たした住宅を買ってください。
いくら安いからといっても「耐震基準」を満たさない住宅を買った場合、災害時に取り返しのつかないことになりかねませんから。
だからといって、2002年以降の住宅が安全とも言い切れません。
手抜き工事をした欠陥住宅だったり、保存状態が悪い住宅だと、どんなに新しくても危険です。
中古住宅を買うなら、建築年数だけで判断せずに現在の建物の状態を確認することが大切です。
設計図書
設計図書(せっけいとしょ)とは、住宅を作る時に必要な図面一式をまとめたものです。
単純に家の平面図や立面図などをいうこともありますが、家を建てた後には見えない壁の中の筋交い位置がわかる図面など様々なものがあります。
将来、建物をリフォームや増築したいと思った時に建物の見えない部分がわかると役立ちます。
また、設計図書がないと壁の中の筋交いの位置もわからないので耐震性能を正確に判断することができません。
住宅の耐震性能を調べられないと「住宅ローン減税」を受けられない可能性が高くなるのでできるだけ設計図書の残っている物件を購入した方が良いです。
瑕疵担保責任期間
中古住宅を購入する場合、多かれ少なかれ、何かしらの不具合があるものです。
その住宅についての不具合のことを瑕疵(かし)といい、瑕疵を保証する期間のことを瑕疵担保責任期間といいます。
例えば、瑕疵担保責任期間が3ヶ月だった場合で説明すると、売主から雨漏りについて何も聞いていなかったのに2ヶ月目に雨漏りがした場合、修繕費用などは売主が保証します。
買い手側からすれば、短期間で気づかない不備があるかもしれないのでできるだけ長く保証期間を付けたいところです。
しかし、売り手側からすれば保証期間が長くなるとそれだけ負担が増えることになります。
そのため、中古住宅の場合、2~3ヶ月程度が一般的な保証期間になります。
ただ、物件や売主によっては、「瑕疵担保責任の免除」や「瑕疵担保責任なし」として販売されているものもあるので注意してください。
中古住宅で「瑕疵担保責任なし」の場合は、購入前に専門家に住宅診断をしてもらった方がリスクを減らせます。
もちろん、瑕疵担保責任期間がある住宅に対しても住宅診断をした方が安心です。
中古住宅を購入するときは「住宅診断」も検討してみてください。
「付帯設備」・「物件状況確認書」
中古住宅の購入を決めたら、売買契約をしますが、契約当日に契約書の内容を判断するのは難しいです。
そこで、契約をする前に売買契約書や重要事項説明をもらって事前に内容を確認しておいた方が安心です。
この時に「付帯設備」についても確認します。
住宅に取り外しできる棚や照明、エアコンなどがある場合、住宅取引に含まれるのか含まれないのかを書面で確認します。
ここをしっかり確認しておかないとエアコンがあると思って入居したら、全部外されていたなんてこともあるかもしれません。
後は、住宅の破損や故障箇所がないか、破損部分があった場合、どこを補修したのかなどが書かれた「物件状況確認書」も確認しておきたいところです。
これらを事前に確認しておくことで購入した後のトラブルを防ぐことができます。
【番外編】中古住宅の解体費用について
中古住宅を調べていると価格は安いけど、建物がボロボロで改修しないといけないような物件がよくあります。
いわゆる住宅の価値はほとんど0円で土地の価格だけで販売しているようなケースです。
将来的に住宅を建て替えるつもりで購入するなら仮住まいとしては格安で手に入るので有りだと思います。
でも、建て替える場合は住宅を解体する必要があるので解体費用がかかるわけです。
この解体費用ってどれくらいなのかわからなかったので調べてみました。
解体費用は地域や場所によってさまざまなので一概には言えないようですが、だいたい坪あたり4〜5万円くらいだそうです。
住宅に繫がる道路幅が狭く大きなトラックや重機が入らない条件だとさらに割高になるみたいです。
あと、木造住宅の方が安くコンクリート造だと高くなります。
木造2階建ての場合だと解体費用は100〜150万円くらいです。
住宅の見積もりの例を見てみると解体費用の他に廃棄物の処理費用もありますね。
他には解体した「廃材運搬費」と近所にゴミが巻き散らないようにするための「シート養生費」があります。
それらをまとめた金額が解体費用になります。
解体費用がいくらかかるのか事前に知っておけば将来的に中古住宅を建て替えるときに参考になります。
まとめ
中古住宅は希望する条件にあった物件が見つかり、建物の状態が良好なら、格安で一軒家を手に入れることができます。
そんな物件はまさに「掘り出し物」です。
ただ、中古住宅には「経年劣化」や「耐震性」など素人では判断できない難しい面もあります。
なので、中古住宅を購入するときは、住宅検査(住宅診断)をするなど専門家を助けを借りてリスクを減らすことも考えてみてください。