2023年は新型コロナウイルスが「5類」に以降してマスクのない日常が戻ってきましたが、住宅市場にはどんな変化が起きたのか?
この記事では、2023年の住宅価格の推移と2024年以降にどうなっていくのかを予測してみます。
2023年の住宅価格は引き続き上昇傾向
新型コロナウイルスが「5類」に移行して少しづつマスクのない日常生活が戻ってきたけど、住宅価格は相変わらず上昇傾向のまま。
コロナで住宅需要が高くなって木材価格が高くなる「ウッドショック」もコロナが落ち着いて安くなるかと思っていたのに一向に安くならないんですよね。
これは単純に木材の需要だけじゃなく、為替で円安になったり、輸送費の上昇、人手不足、ロシアのウクライナ進行など、いろいろなことが重なって値段が落ちないってこと。
もともと日本の建築木材の約半分が輸入材で国産材の比率が少ないっていうのが価格上昇の問題になってるんですよね。
日本って森林が多い国ってイメージがあるけど、木材の自給率が低いってのは資源を有効活用できてないんですよね。
住宅価格がどれだけ高くなっているかは、国土交通省の不動産価格指数の表を見れば一発でわかります。
新型コロナウイルスが日本国内で流行し始めて世界中でも広がりパンデミックになった2020年から不動産価格が右肩上がりに上昇してますよね。
特にマンション価格の上昇が目立ちますね。
というか、2013年からマンション価格の上昇が増えてるのは何があったのか?
調べてみると2013年秋に東京での五輪開催が決定したことがキッカケですね。
コロナで東京オリンピックが延期になっても価格が上がっているのは不思議なところ。
コロナの影響で都心から郊外への移住が加速して都市部のマンション価格が安くなるならわかりやすいのにそうなってない。
建材を輸入するのにコロナで人材不足になり価格が高くなったってのもあるんでしょうが、マンションはどんどん高価格帯の商品が増えてきているってこともあるんでしょうね。
低価格のマンションを売るより高価格のマンションを売った方が利益が出るから、付加価値をつけてマンション価格はどんどん上がっていくんでしょうな。
コロナによって郊外で家を建てる人が増えて、木材の価格が高くなる「ウッドショック」なんてことがニュースなどの報道番組でよく言われてましたが、今でも価格は高いままなんでしょうか?
農林水産省が発表した木材価格(令和5年6月)によると令和4年(2022年)7月をピークに価格は下落してるんですよね。
木材価格は下落してるけど、なぜか住宅価格はどんどん値上がりするのはなぜか?
為替の円安などの影響もあるし、値段が高い時に購入した在庫が残っていたり、一度上がった値段を下げるとまだ上がった時に困るなんてこともあるんでしょうね。
2024年以降の住宅価格の予測
コロナが収まってきて木材や輸入価格などが落ち着いてきたとしても、ロシアのウクライナ侵攻が続いていることで世界情勢はとっても不安定ですよね。
日本国内でいえば『2024年問題』『少子化問題』『空き家問題』があります。
2024年問題で家が建つのが遅くなる?
住宅価格に影響がありそうな2024年問題とは、「働き方改革関連法」というものが2024年4月から始まるんですよね。
ここで問題になるのが、建設業では時間外労働の上限が規制されるってことです。
労働者に負担になる時間外労働を減らそうって法律なんですが、それによって家を建てる期間がこれまでよりも長くなったり、人件費として建築費に上乗せされる可能性が高いんですね。
この問題は2025年の大阪万博にも影響がありそうだとか。
海外のパビリオン建設が労働者不足で万博開催までに間に合わないんじゃないかって言われてます。
建築費が高くなるってことは家を建てる施主としては負担増になるので歓迎できないところもあるけど、建築に関わる労働者にとってはサービス残業や無茶な要求をさせられていたと考えると適正な労働環境に一歩近づくとも言えるのかなぁ。
少子化問題
日本は子供の出生数が年々減ってる少子化問題が結構深刻なんですよね。
日本人の人口統計を2000年〜2020年をグラフにしてみるとわかりやすい右肩下がり。
2022年の出生数は約77万人。1980年頃の出生数が160万人だから、40年で出生数が半分になったってことですね。
出生数の減りと合わせて日本人の人口も2010年頃から急激に減少してます。高齢者が亡くなっているってことなんでしょうね。
これから団塊の世代と言われる第一次ベビーブーム1947(昭和22)年~1949(昭和24)年に生まれた世代が高齢者になるのでさらに人口減少が加速しそう。
人口が少なくなるということは、家に人が住んでいない空き家問題がより深刻になってきますね。
空き家問題
空き家の何が問題かっていうと、家を管理する人がいなくなって今にも倒壊しそうなほどボロボロになった特定空き家が増えること。
特定空き家が増えるとその家の外観が悪いだけでなく、街の景観も悪くなるのでその周りの不動産の価値も下がるし、放火や虫の発生、浮浪者や動物の棲家になるなど治安上の心配も出てくるので良いことなしです。
日本の空き家の数は平成30年の段階で848万9000戸。
もちろん、人が住んでいないだけで住める状態の物件も多いですが、管理されてない空き家が増えてくるのは間違いないです。
総務省統計局によると平成30年の空き家数は848万9000戸とドンドン増えてます。
人が住んでいない家が増えているということは、家を探している人の選択肢が増えるってことなので、住宅価格は下がっていくことが予想できますよね。ただ、価格が下がっていくのは中古住宅だけでしょうね。
新築戸建てや新築マンションの価格は人件費や為替などの影響で下がることはない。
都市部では1億円を超える物件がゴロゴロあって、金持ちしか家を買えない。
普通のサラリーマンは田舎に行って安い住宅を買う。
都心の住宅価格が高くて郊外へ移住する人がこれまで以上に増えて、田舎暮らしが見直される時代がくるかもですね。
2023年の住宅価格はどうなった?2024年以降の不動産価格も予測のまとめ
新築の住宅価格が安くなることは期待できない。
結局、今後新築を建てるならウクライナとロシアの戦争が終わるまでは住宅価格が安くなることは期待できないですね。
中古住宅は安くなっていくでしょうが、リフォーム費用は高くなっていくので住宅価格は総合的に高くなっていくことが予想できます。
色々考えていると、住宅を安く買える時期を考えるより、家が欲しいと思った時が買い時なんだって思って買った方が気が楽かもね。