2階建てで家づくりをするときに気になるものとして階段の登りやすさがあります。

家を建てる敷地が狭いと間取りの関係で階段の角度が急になったり、登りにくい形状になりがちですが、本当にその階段で大丈夫ですか?

2階へは毎日登りませんか?
毎日の洗濯物はどこに干しますか?

階段が登りにくいと生活しにくくなります。
階段は簡単にはリフォームできないので、住んでから後悔のないように登りやすい階段を作っておいた方が家を建てたときの満足度が高くなります。

ここでは、家を作る時にどんな階段を作れば良いのかを紹介していくので、ぜひ参考にして下さい。



バリアフリー・ユニバーサルデザインを意識すると快適な階段になる

住宅を作るときにユニバーサルデザインを売りにする住宅メーカーも増えてきました。

バリアフリーは主に足が不自由な障害者などを考えた家作りで、ユニバーサルデザインは子供から高齢者まで考えた住宅作りです。

しかし、ユニバーサルデザインは階段などについて細かく数字で決まっていないので、住宅メーカーや工務店によって、自由な発想で使いやすいと思うデザインをしているので、基本的にはバリアフリーに子供の視点も追加したものと考えて問題ないです。

ユニバーサルデザインは住宅ローンの審査にも関わってきます。

例えば「フラット35S」技術基準では、「回り階段等安全上問題があると考えられる形式」は基準外となっていて住宅ローンを借りることが出来ません。

S技術基準に適合している階段はこのように紹介されています。

フラット35S技術基準の適合した階段

「フラット35S」の基準は「フラット35」よりも厳しくなっていますが、高齢者にも優しいユニバーサルデザインの住宅になるので、住宅価値が高くなるので、住宅ローンの金利が低く設定されるというメリットもあります。

住宅ローンのフラット35Sの技術基準では「回り階段等がなく、最上段の通路等への食い込み部分及び、最下段の通路等への突出部分を設けない。」というものもあります。

住宅ローンを借りないにしても、階段を考えるときは「フラット35S」が参考になります。

階段の角度を確認しなかった我が家の失敗

我が家は階段勾配で失敗しました。

建築中の階段を始めて見たときに、あまりに急勾配でビックリしました。

階段の間取りを決めるときに間取ソフトを使って、「高齢者等配慮対策等級3」の基準では大丈夫だったので安心していましたが、実物を見てみると全然安心できない勾配でした。

「高齢者配慮対策等級3」の基準はこうなってました。

■高齢者配慮対策等級3の階段の基準

階段の各部の名称

・勾配は22/21(蹴上げ/踏み面)以下
・550mm≦T(踏面)+2R(蹴上げ)≦650mm
・踏面は195mm以上
・蹴込みは30mm以下

この中の勾配22/21以下が曲者です。これは
「22(蹴上げ)/21(踏み面)=1.0476以下(46.3度)」
というように計算します。

我が家の階段はこのように計算してました。
「219(蹴上げ)/210(踏み面)=1.0428(46.2度)」でギリギリ基準に収まってます。

階段を平面図とパース図にするとこんな感じになります。

我が家の階段平面図

我が家の階段側面図

我が家の階段パース図

■我が家の階段
階高:2,843mm
階段形状:回り階段
段数:13段
蹴上げ:219mm 踏み面:210mm
勾配:219/210=1.0428(46.2度)
T+2R:210+2×219=648mm

改めて見てみると、階段の形状が回り階段で、しかも上側なので転落の危険性も高くなってます。

蹴上げも高いし、踏み面も狭くて降りるときに危険だということも建築が始まってから気づきました。

なんでこんなに急勾配なんだ?

と思って、実際に住宅が建ってから、確認のためメジャーで階段を計ってみると踏み面は200mmでした。

どうやら階段の踏み面の数字を間違えて間取ソフトに入れていたようです。
この値で再計算してみると勾配:219/200=1.095(47.6度)となりました。

勾配としてはたった1度の違いなので、高齢者等配慮対策等級3を満たしたとしても、そんなに変わらなかったでしょうね。

こうして見ると高齢者等配慮対策等級3ではなく、高齢者等配慮対策等級4を基準にして階段を考えれば良かったと後悔しています。
階段の勾配に関して工務店によく確認しなかったのが失敗でした。



建築基準法で定められている階段構造・寸法

階段の設置に失敗してからいろいろ調べて、階段の寸法について書かれた法律を見つけました。

それが「建築基準法の第三節 階段 第二十三条」です。

ここには建物の階段の寸法が書かれています。

階段の種類 蹴上げ(mm) 踏み面(mm)
小学校の児童用 160以下 260以上
中学校、高等学校、中等教育学校の生徒用 180以下 260以上
上記以外および住宅以外 200以下 240以上
住宅 230以下 150以上

小学校や中学校、高等学校の階段基準が、書かれているので、これらの勾配を計算してみると

小学校:160/260=0.6153(31.6度)
中学校:180/260=0.6923(34.6度)
高等学校:180/260=0.6923(34.6度)
住宅:230/150=1.5333(56.8度)
上記以外:220/210=1.0476(46.3度)

となります。

こうして比較してみると解りやすいと思いますが、建築基準法の住宅の階段勾配が56.8度は階段というよりもハシゴのような感じでしょうね。

実際に家に建てるときは、学校のような緩やかな角度で作ると、階段のスペースが大きくなりすぎるでしょうから、学校の勾配を一つの基準として覚えておくと良いと思います。

高齢者配慮対策等級の階段について

高齢者配慮対策等級という基準では階段についてこう書かれています。

■勾配
高齢者配慮対策等級3:22/21=1.0476(46.3度)以下
高齢者配慮対策等級4:6/7=0.8571(40.6度)以下
高齢者配慮対策等級5:6/7=0.8571(40.6度)以下

高齢者配慮対策等級では、階段に手すりを付けることも設定されていて、

■手すり
等級3:少なくとも片側に必要。勾配が45度を超える場合は両側。
等級4:少なくとも片側に必要。勾配が45度を超える場合は両側。
等級5:両側に必要。勾配が45度以下でエレベーターがある場合は片側。

となっています。

手すりについては、片側に付ける場合に内側と外側のどちらに付けるかという問題がありますが、我が家の場合は急勾配なのが建設中にわかったので両側に付けることにしました。

ついでにいうと、付ける手すりもよく考えた方が良いです。

我が家の手すりは、まっすぐな木の板のような形で柱に固定されています。
手すりを持って階段を昇り降りすると、手が手すりを柱に固定している部分に当たるので、いちいち気を使うので使い勝手が悪いです。

なので、手すりで握っていても手がぶつからない形の手すりを付けることをオススメします。

まとめ

以上のことから、安心・安全、住みやすさを考えた階段をまとめるとこうなります。

形状:「直進階段」または「屈折階段」「矩折れ階段」
勾配:6/7=0.8571(40.6度)以下
蹴上げ:180mm以下
踏み面:240mm以上
蹴込み:なし
踊り場:踏み面を三角にしない

間取りの関係で希望通りの階段にできないこともあると思いますが、できるだけ過ごしやすい階段を考えてみて下さい。